人体で最も硬い組織
2023年2月6日
こんにちは。歯科医師の杉山です。
突然ですが、みなさんは人体で最も硬い組織はなんだか知っていますか?
それは・・・「歯」なんです!
歯は大きく分けて、3層の構造をしています
一番外側は「エナメル質」と呼ばれ、人体で最も硬いのはこのエナメル質なんです。
よく歯の「鎧」と呼ばれるほど硬い組織で歯の内部の組織を守る役目を担っています。
ただこの組織には細胞がいないため、硬い反面、もろく、また知覚がないため削ったりしても痛みはでないのですが、一度欠けたりしてしまうと再生はしないのです!
なので、一度虫歯になってしまうと皆様の白く綺麗なエナメル質はもう戻ってこないのです・・・
虫歯にならないようにするのがまず第一ですが、エナメル質のみの初期の虫歯であればしっかりと歯磨きを続けることで進行を抑えることはできます!
しっかりと歯磨きを続けて、綺麗なエナメル質を一緒に守っていきましょう!
そしてその固くて脆い綺麗なエナメル質を内側から裏打ちしているのが「象牙質」です。
象牙質は弾性があり、歯を引き伸ばすような力に対して抵抗します。
象牙質がなかったら歯は引き伸ばすような力をうけるとすぐに欠けてきてしまいます。
歯の表面に硬い材料を盛ったとしても、象牙質とその材料がしっかりと接着していないとすぐに欠けてきてしまうのです。
また、象牙質は無数の小さな管状の構造物から成るため、外部の刺激を歯の内側の神経にまで伝えます。
よく虫歯になったあとしみて痛いと感じるのは虫歯がこの象牙質まで到達してしまっているからなのです。
そしてその象牙質の内側にあるのが「歯髄」と呼ばれる、歯の神経です。
よく神経の治療や根っこの治療と説明をされるのはこの歯髄が入っている部分をきれいにお掃除していく治療のことです。
歯髄の役割は痛みを感じる、歯に栄養を与える、象牙質を作る、歯の免疫を担うといったものです。
虫歯の菌によって歯髄が正常に機能しなくなると、免疫が働かず、細菌が歯の中で自由に増殖し、根っこの先から出てきたり、周りの壁に入り込んだりしまいます。
こうなってしまうと自然と治ることは難しく、治療をしないでいると歯の周りの骨が炎症により溶けて、最終的には根っこの先の歯茎が腫れて痛みが出てきます。
そのような場合には神経の治療を行って、中をきれいにしていく必要があります。今は痛みがないから大丈夫!というわけではなく、早め早めの治療が大切なのです。
このように歯って意外と複雑で綺麗なつくりになっているんです!
もしもご自身の歯のことで心配なことがございましたら、是非お気軽にご相談ください。
歯はせっかく毎日使うものですから、私達とみなさんでお口の中をいつもきれいな状態にして、長く守っていきましょう!