歯周病っていったいどんな病気?|足利市の歯科医院
2024年8月21日
こんにちは。歯科医師の杉山です。
最近ではCM等でもうお馴染みの言葉となりつつあります”歯周病”とはいったいどんな病気なのか、皆さんはしっかりと理解されていますか?
お口の中の歯の周りには歯を支える骨があります。
その周りの骨がどんどんと溶かされていってしまう病気が”歯周病”という病気です。
歯周病のいちばんおそろしいところは自覚症状がなくすすんでしまうところにあります。
特に痛みもなかったのに気がついたら、歯が大きく揺れてきて、もう抜かなきゃいけなくなってしまうところが歯周病のこわいところです。
そもそも歯周病はなにが原因で起こってきているのでしょうか?
歯周病の原因はずばりお口の中の”細菌”です!歯周病の原因の菌達が原因で骨に炎症が起こり周りの骨がどんどんと吸収されていってしまうのです。
じゃあその”細菌”はお口のどこに隠れているのでしょうか。
それが、”歯石”の下です。
皆さんは歯石という言葉は聞いたことがありますか?
歯石とは歯垢(プラーク)とよばれるお口の中の汚れが時間が経って、固まってできたもので歯に強固にくっついています。
歯石ができてしまうともう、お家の歯ブラシだけだととることが難しくなってしまうので、歯医者さんの専用の機械を使ってとっていく必要があります。
歯石はそれ自体では悪いものではないのですが、歯周病の原因の菌の住処となり、そこから目に見えない位の量で徐々に歯の周りの骨が溶けていってしまいます。
つまり、お口の中の歯石を長いことそのままにしておくと知らず知らずのうちに歯周病がすすんでいく原因となってしまっているのです。
歯周病の予防には定期的に歯医者さんで歯石取りをすることが大事になります!
「別に歯周病が進んで、歯がゆれてきても痛くないんだから、そのままでも大丈夫じゃないの?」
と思う方もいらっしゃるかと思います。
では揺れている歯がある状態をそのままにしておくとどうなってしまうのでしょうか。
歯がゆれてしまうような状態のお口の中には「バイオフィルム」と呼ばれる細菌の塊が多く存在しているのです。
バイオフィルムとはお家のお風呂場や排水溝の中のぬめりと同じものです。
あのぬめりがお口の中いっぱいにある状態のままでいることを想像するとあまり気持ちの良いものではありませんよね。
そういった環境は歯周病の原因の細菌が棲みやすい環境となってしまっているのです。
それをずっとそのままにしていると、揺れている歯だけでなく周りの他の歯にもどんどん歯周病がすすんでいってしまう原因となってしまうのと、抜いた後にそこにインプラントやお取り外しの歯等を入れていく際に骨がないと難しくなってしまう場合が多いので、治療の成功率にも関わってきます。
他にも口臭の原因となったり、お口の中の痛みの原因となっていることが多いのです。
また一度溶けてしまった骨はもう二度と戻ってくることはないのです。
このように歯周病にはいいことは1つもなく、今ある歯を守るためにも早い段階で止めてあげることが大事になります。
今のご自身のお口の中の状態が気になる方、実際にご来院頂ければお口の中の状態を確認し、お口の中のスキャンデータを元に説明をさせて頂きます。
これから一生使っていく皆様のお口の中の環境を一緒に守っていきましょう!
皆様のご来院、心よりお待ちしております。
口臭について|足利の歯科医院
2024年6月20日
こんにちは。歯科医師の野口です。
今回は口臭とその治療法についてご紹介していきます。
皆さんの中には、
「自分の口の臭いが気になる」
「周りから口臭があると思われていないか」
「毎日歯ブラシしているはずなのに」
と不安に思っている方はいらっしゃいませんか。
口臭には、いくつかの要因が挙げられますが、患者さんの中で多いのが、「生理的な口臭」と「病的な口臭」になります。
生理的な口臭は、舌苔と呼ばれる舌の表面に付着する、食べカスや細菌、唾液の成分などで形成された白い苔状のものが主な原因となります。
この舌苔で産生されるガスが臭いの元となります。
この場合は、口腔清掃不良や唾液の分泌量の低下などが影響しているため、歯磨きやデンタルフロスなどの清掃補助器具を使用したり、主な口臭源である舌の清掃をしたりすることが重要になります。
また、舌の動きの低下にも影響されるため、固形物をしっかり咀嚼したり、たくさん会話をしたりして舌を動かすことも口臭予防には大切です。
ここで舌清掃のポイントです。
舌の清掃は、歯磨き前に1日に1回を目安に行うと効果的です。
その際には、専用の舌ブラシや柔らかい歯ブラシを奥から手前に掻き出すように動かしましょう。
この作業をペースト状の舌苔が取れなくなるまで10回程度行ってください。
薄く舌苔が残っているのは正常なものになりますので、必要以上にブラッシングしないように注意しましょう。
続いて、病的な口臭についてです。
病的な口臭には、虫歯や歯周病などの口腔由来のものと糖尿病などの全身由来のものがありますが、ほとんどは前者の歯周病由来の口臭となります。
歯周病の原因となる歯垢、プラークと呼ばれる細菌の塊が産生するガスが口臭の元となります。
口臭対策には、日頃の口腔清掃はもちろんですが、歯科医院で行う歯周治療がとても重要です。
歯周病は、普段の歯磨きでは治らない病気です。
また、自覚症状がないまま進行していきますので、一度近くの歯医者さんを受診することをお勧めします。
当院では、口臭測定器を使って口臭の原因を解明するとともに、患者様一人ひとりに合わせた治療をご提案させていただいております。
少しでも口臭が気になる方は、お気軽にご相談ください。
歯周病と食習慣|足利市で予防歯科
2024年2月19日
こんにちは。歯科医師の杉山です。
皆さんは歯周病が生活習慣病と言われているのはご存知ですか?
もちろん歯周病はお口の中の細菌が引き起こす感染症の一種であることは有名ですが、他にも全身の健康状態や、生活習慣にも関わってくる多因子疾患であるということが近年言われるようになってきました。
歯周病を生活習慣病であると考えた時にその予防として大事になってくるのが、”食習慣”です。
皆さんは歯周病予防のため、普段の食事を考えたことがありますか?
おそらく多くの方は「ない」と答えると思います。
「じゃあ実際にどんなものを食べたらいいの?」
今回はこの質問にお答えしようと思います。
これまでに歯周病と食に関する研究は数多く行われていて、様々な論文が出されています。
その中で歯周病予防において重要になる栄養素の、大事な作用としてよく挙げられるのが、”抗炎症作用”と”抗酸化作用”です。
歯周病は、そもそも原因となる細菌が引き起こす慢性炎症疾患であるため、その炎症を抑える”抗炎症作用”はもちろん大事になってきます。
一方で、”抗酸化作用”はどんな関係があるのかを簡単に説明すると、炎症が起こると活性酸素と呼ばれる悪い酸素がでてくるのですが、その悪い酸素は血管等に作用して歯茎だったり、歯の周りの組織を壊す原因になってしまいます。
“抗酸化作用”はその悪い酸素を取り除く作用のことです。
そういった作用を持つ食べ物は具体的にどんなものがあるかというと、
ビタミンC:天然の果物や野菜に多く含まれる。
n-3脂肪酸(DHA、EPA等):魚に多く含まれる。
フラボノイド(カテキン等):緑茶、紅茶、烏龍茶、玉ねぎ、ブルーベリー、赤ワインに多く含まれる。
カロテノイド(リコピン、βカロテン等):トマト、ニンジン、アスパラ、グレープフルーツ、スイカに多く含まれる。
他にも、低脂肪食、高繊維食、ビタミンDなども歯周病予防に良いとされています。
つまり、食べると良いものは”魚”、”お茶”、”果物”、”野菜”です!
結論としてはあまり面白いものではなかったかもしれませんが、詳しい説明をお聞きになりたい場合はいつでもお声がけください!
皆さんも食事からお口の中の健康を守っていきませんか?
歯の本数|足利市の歯科医院
2023年9月20日
こんにちは。歯科医師の高橋です。
みなさんご自身の歯の本数をご存知ですか?
20本?24本?28本?みなさんはご自身の歯は何本だったでしょうか?
人間の歯は親知らずを除くと28本あるのが通常と言われています。みなさんはちゃんと歯が揃っていましたか?
そこで最近よく耳にする『8020運動』。「80歳までに20本の歯を残しましょう。」という国の運動です。
この20本は食生活にほぼ満足することができると言われている歯の本数になります。だとすると8本は歯を失っても大丈夫なのか?と思ったあなた・・。
要注意です。
歯が抜ける原因の第一位が歯周病です。
歯周病は歯一本ずつ進行するものではなく、全体的に進行していきます。
ということは歯周病で歯を失い、何もしないでいると次から次へと歯を失っていきます。
まずは、最初の歯を失わないように歯周病治療を定期的に受けることがとても重要になります。
歯を失ってしまった方はこれ以上悪化しないように歯周治療を受ける必要があります。
虫歯で歯を失うなら大丈夫?そんなことはありません。
歯を一本でも失うとその一本分の力を他の歯で負担しないといけなくなります。
その負担によって他の歯がダメージを受け抜歯につながってしまうこともあります。
どんな原因だとしても、まずはご自身の歯を失うことがないようかかりつけの歯医者さんがない方はかかりつけ歯科医を見つけましょう!
また、歯が少なくなってしまった方も歯を失う流れから脱却できるように歯医者さんに診てもらってくださいね!!
歯がなくなったままだとどうなるの?|足利市で歯科治療
2023年8月21日
こんにちは。
歯科医師の杉山です。
皆様は毎日使っている歯がなくなってしまった時のことを考えたことがありますか?
歯が残せなくなってしまう原因はいくつかあります。歯周病が原因で歯が大きく揺れてきて残すことができない場合、虫歯が大きくて歯茎の上に歯が残っていない場合、根っこの先で折れてしまって細菌が根っこの先で悪さをしてしまっている場合など原因は様々です。
では、歯がなくなった後、お口の中はどうなると思いますか・・・?
例えば、歯が全部なくなってしまった場合にはものを食べるために入れ歯等、何かで補わなければいけないと皆様も思って下さることと思います。
では、歯が1本だけなくなってしまった場合はどうでしょうか・・・?
こう考える方もいるのではないでしょうか。
「歯が1本なくなってしまっても他の歯があるから治療しなくても問題ないじゃん!」
「歯がなくなったところに差し歯をいれればすぐ元通りになるんじゃないの?」
私自身も歯科のことを学ぶ前はこのような考えをもっていました。
ただ、それは・・・「間違い」なのです!!!
歯が1本ないまま過ごしているとどうなるのでしょうか?
まず起こってくることは今までよりものが噛みにくくなります。
奥歯が1本なくなってしまうとものを噛むことが今までの50%ほどにまで落ちてしまうという報告もあります。
またそれが前歯の場合は見た目も非常に悪くなってしまいます。
そのまましばらくすると、隣の歯がその隙間を埋めようと倒れてきて見た目が悪くなってきたり、今まで噛んでた部分がなくなることで噛み合わせがおかしくなり、他の歯の負担が大きくなって痛みがでたり、歯周病が進行して周りの歯も抜かなくてはいけなくなる原因にもなります。
それよりももっと時間がたってくると、それが原因で顎関節症になったり、場合によっては全身にまで悪い影響が出てきてしまうこともあるのです。
どうですか?歯が1本なくなっただけでこれほど大事になってしまうのです。
じゃあ実際に歯がなくなってしまったらどのように治療するのでしょうか?
私も昔、歯科を学ぶ前には勘違いをしていたのですが、俗に言われている”差し歯”ができるのは歯の根っこが残っているものだけなのです。
歯を1本抜いた場合の治療法は大きく分けて3つです。
ブリッジと呼ばれる隣の歯を大きく削ってつくる3本分の被せ物をいれる治療法、1本分の入れ歯をつくる治療法、またはインプラント治療です。
それぞれの治療法にはメリット、デメリットがあります。
当院では、治療の必要がある場合にはそれぞれ詳しくお話を聞いて頂いた上で、皆様がご納得された方法で治療をすすめていきますので、お気軽にご相談下さい。
歯を長く残すために一番大事なことは毎日の歯磨きと定期的な予防型歯科医院への受診です。
まずは皆様もご自身の歯1本1本の大切さを噛み締めて、今日からまた歯磨きを頑張ってみませんか?
歯の揺れ|足利市の歯科医院
2023年7月20日
こんにちは、歯科医師の熊澤です。
今日は「歯の揺れ」についてお話しします。
歯の揺れは大きく分けて2つに分類することができます。
1つ目は歯周病由来のものです。
歯周病により歯を支える骨が溶けてしまい、歯を支えることができずに揺れてしまうものです。こちらはみなさんにはイメージしやすいと思います。
治療法は歯石取りを主とした歯周病治療により改善を図ることができます。
2つ目は咬み合わせ由来のものです。
こちらの方がイメージしにくいと思います。
歯周病の状態は良いが、かみ合わせが悪いことで大きな負荷がかかってしまい揺れてしまうものです。
例えば就寝時の歯ぎしり、日常での食いしばりが多い、歯が重なってしまっている方はそうでない方と比べ歯への負担が大きくなっています。
そうすると将来的に歯が揺れ、歯を失う確率が高くなってしまいます。
治療法はマウスピースの作成や矯正による歯並びの改善が挙げられます。
どちらが原因であっても事前の治療や予防により将来の揺れを防ぐことが可能です。
当院では検査を受けたうえで適切な治療を行ってまいります。
歯ぎしりや食いしばり、歯並びに悩んでいる方、歯の揺れに悩んでいる方は一度ご連絡ください。
奥の歯茎が痛い!!
2022年5月13日
こんにちは、歯科医師の高橋です。
本日は5~7歳で起きることの起きる痛みについてお話しします。
当院には5~7歳のお子様が奥の歯茎が痛くて来院される方が月に数名いらっしゃいます。
お口の中を見ても虫歯もないし歯茎の腫れもない・・。何が起きているのでしょうか?
みなさん6歳臼歯という言葉をご存知でしょうか?6歳ごろに一番奥の乳歯(子供の歯)の奥に生えてくる永久歯(大人の歯)のことを指します。
通常永久歯は乳歯が抜けてその下から生えて来ますがこの歯は生え替わりは起きずに奥の歯茎を押し除けて生えてきます。そのときに歯茎が押されて出る痛みがこの痛みの原因です。
特に異常はないため基本的には治療は必要ありませんし、気付いたら痛みがなくなっていることがほとんどなので心配ありません。また生えはじめの時期も同じような痛みが出ることがありますが、これも心配しないで大丈夫です。
痛むのが怖くてずっと歯磨きをしないと虫歯になる心配もあるので痛みが強くなければしっかり歯磨きも行ってください!
生えかけの時期は汚れがたまりやすく、虫歯もなりやすい状況なので歯磨きに加えてフッ素の使用もかかさず行いましょう。
できれば歯医者さんで濃度の高いフッ素を塗ってもらえると歯がさらに丈夫になって虫歯になりにくくなります!
この奥歯は永久歯の中で一番大きな力を支えられる歯になります。将来おじいちゃん、おばあちゃんになっても自身の歯でなんでも食べられるように6歳臼歯を子供のうちから大事にしてあげてください!!