歯がなくなったままだとどうなるの?|足利市で歯科治療
2023年8月21日
こんにちは。
歯科医師の杉山です。
皆様は毎日使っている歯がなくなってしまった時のことを考えたことがありますか?
歯が残せなくなってしまう原因はいくつかあります。歯周病が原因で歯が大きく揺れてきて残すことができない場合、虫歯が大きくて歯茎の上に歯が残っていない場合、根っこの先で折れてしまって細菌が根っこの先で悪さをしてしまっている場合など原因は様々です。
では、歯がなくなった後、お口の中はどうなると思いますか・・・?
例えば、歯が全部なくなってしまった場合にはものを食べるために入れ歯等、何かで補わなければいけないと皆様も思って下さることと思います。
では、歯が1本だけなくなってしまった場合はどうでしょうか・・・?
こう考える方もいるのではないでしょうか。
「歯が1本なくなってしまっても他の歯があるから治療しなくても問題ないじゃん!」
「歯がなくなったところに差し歯をいれればすぐ元通りになるんじゃないの?」
私自身も歯科のことを学ぶ前はこのような考えをもっていました。
ただ、それは・・・「間違い」なのです!!!
歯が1本ないまま過ごしているとどうなるのでしょうか?
まず起こってくることは今までよりものが噛みにくくなります。
奥歯が1本なくなってしまうとものを噛むことが今までの50%ほどにまで落ちてしまうという報告もあります。
またそれが前歯の場合は見た目も非常に悪くなってしまいます。
そのまましばらくすると、隣の歯がその隙間を埋めようと倒れてきて見た目が悪くなってきたり、今まで噛んでた部分がなくなることで噛み合わせがおかしくなり、他の歯の負担が大きくなって痛みがでたり、歯周病が進行して周りの歯も抜かなくてはいけなくなる原因にもなります。
それよりももっと時間がたってくると、それが原因で顎関節症になったり、場合によっては全身にまで悪い影響が出てきてしまうこともあるのです。
どうですか?歯が1本なくなっただけでこれほど大事になってしまうのです。
じゃあ実際に歯がなくなってしまったらどのように治療するのでしょうか?
私も昔、歯科を学ぶ前には勘違いをしていたのですが、俗に言われている”差し歯”ができるのは歯の根っこが残っているものだけなのです。
歯を1本抜いた場合の治療法は大きく分けて3つです。
ブリッジと呼ばれる隣の歯を大きく削ってつくる3本分の被せ物をいれる治療法、1本分の入れ歯をつくる治療法、またはインプラント治療です。
それぞれの治療法にはメリット、デメリットがあります。
当院では、治療の必要がある場合にはそれぞれ詳しくお話を聞いて頂いた上で、皆様がご納得された方法で治療をすすめていきますので、お気軽にご相談下さい。
歯を長く残すために一番大事なことは毎日の歯磨きと定期的な予防型歯科医院への受診です。
まずは皆様もご自身の歯1本1本の大切さを噛み締めて、今日からまた歯磨きを頑張ってみませんか?
ラバーダム防湿は大切です|足利市で根管治療
2023年3月4日
みなさんこんにちは。
歯科医師の高橋です。
本日はラバーダム防湿についてお話ししていきます。
ラバーダム防湿と聞いてみなさんピンとくるでしょうか?
あまり知らない人の方が多いのではないかと思います。
ただ、とても重要な治療の一工程ですので本日は紹介させてください。
ラバーダム防湿とは治療する歯にゴムのシートを貼る治療のことを言います。
これを行うことで口腔内の細菌が治療中の歯に入らないようにしたり、口腔内に薬液が漏れないようにしたりしています。
また、治療中の歯のみ視野に入るため治療を集中して行うことができる利点もあります。
当院では根管治療(根っこの治療・神経の治療)の時にはほとんどの患者様でこのラバーダム防湿を行わせていただいております。
口腔内にはどの体の部分よりも密度の高い細菌が住んでいると言われています。
この細菌が治療中の歯に入ってしまうと根っこの中で再感染を起こして再治療が必要になることが多くなります。
ラバーダム防湿を行うことで根管治療の成功率は大きく上がるという研究結果もあります。
ただ、このラバーダム防湿はかなり手間がかかる治療かつ、患者様も息が苦しくなる治療のため行っている歯科医院はあまり多くありません。
しかし、この工程があるかないかでご自身の歯の寿命が変わってくると知っていたらみなさんはどうするでしょうか?
当院では皆さんの数十年後のことも考えラバーダム防湿を行わせていただいています。
ラバーダム防湿が気になる方は一度ご相談ください。
※ラバーダム防湿をするとしばらく口を開けたままになりますので顎関節症の方は使用できません。
※ゴムのシートを貼るため口で呼吸できなくなるため口呼吸の方も使用できないことがあります。
人体で最も硬い組織
2023年2月6日
こんにちは。歯科医師の杉山です。
突然ですが、みなさんは人体で最も硬い組織はなんだか知っていますか?
それは・・・「歯」なんです!
歯は大きく分けて、3層の構造をしています
一番外側は「エナメル質」と呼ばれ、人体で最も硬いのはこのエナメル質なんです。
よく歯の「鎧」と呼ばれるほど硬い組織で歯の内部の組織を守る役目を担っています。
ただこの組織には細胞がいないため、硬い反面、もろく、また知覚がないため削ったりしても痛みはでないのですが、一度欠けたりしてしまうと再生はしないのです!
なので、一度虫歯になってしまうと皆様の白く綺麗なエナメル質はもう戻ってこないのです・・・
虫歯にならないようにするのがまず第一ですが、エナメル質のみの初期の虫歯であればしっかりと歯磨きを続けることで進行を抑えることはできます!
しっかりと歯磨きを続けて、綺麗なエナメル質を一緒に守っていきましょう!
そしてその固くて脆い綺麗なエナメル質を内側から裏打ちしているのが「象牙質」です。
象牙質は弾性があり、歯を引き伸ばすような力に対して抵抗します。
象牙質がなかったら歯は引き伸ばすような力をうけるとすぐに欠けてきてしまいます。
歯の表面に硬い材料を盛ったとしても、象牙質とその材料がしっかりと接着していないとすぐに欠けてきてしまうのです。
また、象牙質は無数の小さな管状の構造物から成るため、外部の刺激を歯の内側の神経にまで伝えます。
よく虫歯になったあとしみて痛いと感じるのは虫歯がこの象牙質まで到達してしまっているからなのです。
そしてその象牙質の内側にあるのが「歯髄」と呼ばれる、歯の神経です。
よく神経の治療や根っこの治療と説明をされるのはこの歯髄が入っている部分をきれいにお掃除していく治療のことです。
歯髄の役割は痛みを感じる、歯に栄養を与える、象牙質を作る、歯の免疫を担うといったものです。
虫歯の菌によって歯髄が正常に機能しなくなると、免疫が働かず、細菌が歯の中で自由に増殖し、根っこの先から出てきたり、周りの壁に入り込んだりしまいます。
こうなってしまうと自然と治ることは難しく、治療をしないでいると歯の周りの骨が炎症により溶けて、最終的には根っこの先の歯茎が腫れて痛みが出てきます。
そのような場合には神経の治療を行って、中をきれいにしていく必要があります。今は痛みがないから大丈夫!というわけではなく、早め早めの治療が大切なのです。
このように歯って意外と複雑で綺麗なつくりになっているんです!
もしもご自身の歯のことで心配なことがございましたら、是非お気軽にご相談ください。
歯はせっかく毎日使うものですから、私達とみなさんでお口の中をいつもきれいな状態にして、長く守っていきましょう!
治療したのにしみる|足利市の歯科医院
2023年1月6日
こんにちは、歯科医師の熊澤です。
みなさんはむし歯治療が終わった後にしみたという経験はありませんか?
痛くもなかったむし歯を削った後のことです。
むし歯というのはズキズキと急激に進行するむし歯と痛みをほとんど感じず、じわじわと進行するむし歯に大別されます。
このじわじわと進行していたむし歯を治療したときにしみるのです。
なぜしみてしまうのか。
それは治療する時の歯を削る強い刺激が神経に伝わることでしみます。
それでは痛くないから大丈夫!とそのまま治療せず、痛みはないからと放置するとどうなるでしょうか。
いつかズキズキと痛み出し、歯の神経を残すのが難しくなってしまう可能性があります。
数回で終わっていた治療が何度もかかるようになってしまうこともあります。
むし歯治療は早期発見・早期治療が大切になってきます。
お口の中を見てみて、歯が黒いな、噛むと痛いな、しみるななど気になる点がありましたら当院までご相談ください。
酸蝕症|足利市の歯科医院
2022年11月9日
こんにちは、歯科医師の高橋です。
みなさん酸蝕症という言葉を聞いたことがありますか?
酸蝕症とは歯が酸によって溶けてしまう症状のことを言います。
ではどういったものが原因で酸蝕症が生じでいるのでしょうか?
酸蝕症の原因には外因性と内因性の二つがあります。
外因性とは食事や飲み物など摂取するものが原因で生じるもので、酸っぱい果物(オレンジやグレープフルーツなど)や炭酸飲料、酢、ワインなど酸性が強いものの摂取が挙げられます。
外因性の酸蝕症は、このほか塩酸や硫酸、硝酸など酸性のガスが発生する工場で働く方々、ワインの試飲をされているワインティスターの方々などにもみられます。
内因性とは主に体内から口のなかに酸が出てくることによるものをいい、胃食道逆流症や摂食障害(過食症・拒食症)、アルコール依存症などが指摘されています。
このように酸蝕症は毎日の食事が原因で生じてしまう場合もあります。
そのため酸蝕症にならないよう
①酸性の飲食物を口にした後は水で口をゆすぐ
②酸性飲食物をだらだら食べたり飲んだりしない
③寝る前には酸性の飲食物を控える
といった対策が必要です。
対策を行わないと酸蝕症の影響で
1.歯の色が変わる
2.知覚過敏
歯を保護している歯の表面のエナメル質が酸により溶けることで、その下にある象牙質が露出し、知覚過敏の症状を引き起こします。
3.歯がが丸みを帯びる
歯の先端は、最も酸蝕が起こりやすく溶けて歯が丸くなります。
などの症状がでてきます。
まだこのような症状がない方は酸蝕症にならないように先ほど挙げた対策を行いましょう。
また、酸蝕症の影響が歯に出ている方は歯医者さんに行ってみてもらうようにしましょう。
銀歯が取れた|足利市でむし歯治療
2022年10月7日
こんにちは、歯科医師の熊澤です。
患者さんの中には銀歯が取れたという方がよくみられます。
その患者さんの口腔内を確認すると高い確率で銀歯の入っていた歯は黒くむし歯になっています。
(接着材の酸化により黒い場合もあります)
なぜむし歯になっているのでしょうか?
お口の中には熱いものや冷たいものが入ってきます。
銀歯はその熱により膨張や収縮を繰り返すことで銀歯に隙間ができ、接着材が唾液中に溶けていきます。
またその隙間に細菌が入り込むことによって中でむし歯ができてしまいます。
そのむし歯ができるまでの期間は平均5.5年と言われています。
金属により色が遮蔽され、むし歯で黒くなっていても気づかないことが多くあります。
そのため、気づいた時には大きなむし歯であることが多く、再治療となると来院回数が増えてしまいます。
患者さんに話を聞くと10年前、20年前に銀歯を入れた気がすると言っている方もいます。
その場合だとむし歯の可能性が非常に高いです。
みなさんのお口の中に古い金属はありませんか?
もしかしたらむし歯が知らずに進んでいる可能性が高いので、気になる方は一度相談ください。
くさび状欠損|足利の歯科医院
2022年9月1日
こんにちは、歯科医師の高橋です。
みなさん「くさび状欠損」という言葉を聞いたことはありますか?
くさび状欠損とは歯の歯茎の近くの部分(歯頸部)が削れてくさび状にえぐれられたような欠損のことをいいます。
原因の一つとして過度なブラッシング圧が挙げられます。研磨剤の入った歯磨き粉を使用してさらに過度に強い力で歯磨きをしてしまうと歯は徐々に削れていきます。それが毎日続くことで欠損になります。
もう一つが強い咬合力です。
歯ぎしりやくいしばりなどで強い咬合力がかかるとその負担が歯の歯茎近くの部分にかかります。
これによって少しずつ歯が削れて欠損になることもあります。
このようにくさび状欠損は虫歯や歯周病などの治療が必ず必要な症状ではありません。
ただ、これによって「知覚過敏」が生じることがあります。
これは歯の表面にあるエナメル質という組織が削れてその下にある象牙質がむき出しになったことが原因で生じています。
そのため知覚過敏の改善のために薬を塗ったり、プラスチックの詰め物で欠損部を修復したりすることがあります。
知覚過敏が強い方はくさび状欠損が原因になっているかもしれませんので一度歯医者さんで相談してみてください。
ちなみに・・。歯磨きをする時の適正な圧力は100g~200g程度と言われています。
これよりも強い力で磨くと歯が削れてしまうだけでなく、汚れの磨き残しもでやすいといわれています。
強い力で磨いたほうが汚れが落ちていると思っているのは気のせいで、逆に汚れは残っているんです!!
心配な方は一度ご自身の歯磨きするときの圧力を計量器などをつかって計ってみましょう!!
奥の歯茎が痛い!!
2022年5月13日
こんにちは、歯科医師の高橋です。
本日は5~7歳で起きることの起きる痛みについてお話しします。
当院には5~7歳のお子様が奥の歯茎が痛くて来院される方が月に数名いらっしゃいます。
お口の中を見ても虫歯もないし歯茎の腫れもない・・。何が起きているのでしょうか?
みなさん6歳臼歯という言葉をご存知でしょうか?6歳ごろに一番奥の乳歯(子供の歯)の奥に生えてくる永久歯(大人の歯)のことを指します。
通常永久歯は乳歯が抜けてその下から生えて来ますがこの歯は生え替わりは起きずに奥の歯茎を押し除けて生えてきます。そのときに歯茎が押されて出る痛みがこの痛みの原因です。
特に異常はないため基本的には治療は必要ありませんし、気付いたら痛みがなくなっていることがほとんどなので心配ありません。また生えはじめの時期も同じような痛みが出ることがありますが、これも心配しないで大丈夫です。
痛むのが怖くてずっと歯磨きをしないと虫歯になる心配もあるので痛みが強くなければしっかり歯磨きも行ってください!
生えかけの時期は汚れがたまりやすく、虫歯もなりやすい状況なので歯磨きに加えてフッ素の使用もかかさず行いましょう。
できれば歯医者さんで濃度の高いフッ素を塗ってもらえると歯がさらに丈夫になって虫歯になりにくくなります!
この奥歯は永久歯の中で一番大きな力を支えられる歯になります。将来おじいちゃん、おばあちゃんになっても自身の歯でなんでも食べられるように6歳臼歯を子供のうちから大事にしてあげてください!!
歯の神経について
2022年4月12日
こんにちは、歯科医師の嶋﨑太刀です。
今回は歯の神経についてお話しをします。
歯の神経は、神経と呼ばれていますが実際は血管も含まれており、歯に水分や栄養を送る役割があります。
また痛みなどの刺激を脳に伝える機能があります。
むし歯が進行すると、神経が痛みを出すことで歯に異常があることを教えてくれるのです。
しかし、この段階で放置してしまうとむし歯菌が神経のいる部屋に到達してしまい、神経が細菌感染を起こしてしまい、夜も寝られないほどの激痛が出てしまいます。
むし歯菌は神経の部屋を冠の部分から根の部分へ進んでいき、だんだんと神経が死んでいってしまいます。
神経が死んでしまうと、今まであった歯の痛みは無くなります。
むし歯菌は歯の根の先から出ていき、今度は骨を溶かしていきます。
すると、むし歯菌は骨を破り歯茎を大きく腫れさせます。
さらに進むと腫れは首や顔にまで及び歯の治療だけでなく入院が必要になることもあるのです。
神経が死んでしまうと、痛みという歯の異常を知らせてくれる機能が無くなってしまうためむし歯菌が知らないうちにどこまでも進行してしまうため、早めの歯科受診が大切になります。
神経の治療では、神経のお部屋に入り込んだむし歯菌を徹底的に除去すること、新たなむし歯菌を神経のお部屋に入れないことが大切になります。
神経のお部屋は複雑な構造をしているため、一度細菌が入ってしまうと除去するのが難しくなってしまいます。
神経の治療は、再発を繰り返すたびに治療の成功率は落ちていってしまい、最終的には抜歯になってしまうことが多いです。
いかに一回目の治療で成功させるかがカギになっていくため、治療の精密さが非常に大切になります。
なにか気になることがありましたらいつでもご気軽にご相談ください。